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アナログコミュニケーションで繋がる理由 | 2

 前回の記事に引き続き、アナログコミュニケーション及びデジタルコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

本記事では、両場面における
・コミュニケーションの 「形」 の違い と、
・期待できる 「関係性」 の違い、この二軸で述べていきます。

 まずは前者のコミュニケーションの「形」の違いです。
アナログとデジタルでどのような違いが予想できるか、4名以上で意見交換をするシーンを想定して考えてみます。

まず、集って話している場面<アナログコミュニケーション>だと、一人が話している時に、思いついたことがあった場合、話者のリズムや呼吸を察知してその場で切り込むタイミングをつかめる場合もあれば、話を止めずとも、隣の人と一言交わすこともできます。その隣の人との何気ない一言が大きな共感を生んで、会議の進行に寄与するなんてこともあるのではないでしょうか。

 一方、ビデオ通話<デジタルコミュニケーション>だと話す人は常に一人が基本。会話というより短い発表の連続のような形式になりがちです。途中で意見を持っても、遮る勇気を出しづらい、あるいは配慮が働いて、対面時より切り込むことが難しいでしょうし、隣の人と一言交わすシチュエーションもありません。更に目線を操作することができず「特にこの人に話したい」が伝わりません。残念ながら、画面の中では皆平等です。

 ここで例示したビデオ通話は、デジタルコミュニケーションのパターンの中では最も対面に寄ったものかもしれません。「顔をみせて話す」という部分では同じです。しかし、それでも、先述の通り、そこで生まれるコミュニケーションの形には大きな違いが生じます。

 次に、後者の期待できる「関係性」の違いについてです。
期待できる関係性、というのは、結論から申し上げますと、実際に相手と会って、近くに座って、時間と場所を共有して話すからこそ構築できる関係があり、その関係があるからこそ生まれるアイデアがあると信じている、ということです。

 学生時代、友人と夜遅くまで語り合ったり、何かに向けて一直線に意見交換を繰り広げた経験がある方もいると思います。そういったコミュニケーションを経たことで、核心をついた話ができるようになる、あるいは共通認識を持って物事に取り組むことができるようになったり、相手の望むことが理解できたり、そんな経験もあるのではないでしょうか。

 いずれも贅沢で貴重な時間でしょう。
これらが、もしチャットだったら、リモートだったら、同じような時間は果たして訪れていたでしょうか。
彼らとの関係性はどうだったでしょうか。
恐らく、違っていたのではないかと想像します。

 同じようなことが仕事をする場面においても、言えると思います。
あの頃と同じ関係性を求めることを理想としているのではなく、しかし、有意義な関係性が有意義な会話を生むという構図は、変わらずあり続けるでしょう。

 弊社自身も、「最高のデザインは人と人のコミュニケーションから生まれる」をモットーにしておりますが、そのコミュニケーションの質、を高めていく作業もまた、コミュニケーションの役割であり、関係性を構築する時間だと思うのです。

 

 今回は、コミュニケーションにおけるアナログ/デジタルについて、
・コミュニケーションの「形」 の違い と、
・期待できる「関係性」 の違い、の二軸で述べてきました。

 次回は、これらの考えをもとに、サンニンは、どのようなことを皆様と考えていけるか、どのような空間づくりを目指していけるのか、を記して終えたいと思います。

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